Switchで遊べるメトロイドヴァニアを紹介する
・はじめに
新型コロナウィルスが流行する昨今、政府や自治体からは不要不急の外出を控えろ、3密の状況を避けろ、などと言われおちおち外に出ることもできない。
オフライン対戦を主戦場とするゲーマーの中には、オンライン対戦で窮屈な思いをしている人も少なからずいるかと思う。
見えることのない差し込み、間に合わない差し返し、クソラグ射撃Mii・・・
趣味の合間に仕事や勉強をしているような人間にとって、その趣味を楽しめないのはかなり苦しい。
しかし我々はゲーマーだ。趣味の土俵を少しだけ変えれば、普段と変わらず余暇時間を楽しむことができる。
遅延に苦しむことなく、自らのプレイを評価し、対策を講じ、強敵を乗り越える。それができる土俵は他にもある。
・メトロイドヴァニアとは
ゲーム『メトロイド』シリーズあるいは『悪魔城ドラキュラ』シリーズ(海外版タイトルは『Castlevania』)をご存じだろうか。
これら二つのシリーズは一般的に『探索型アクションゲーム』として分類され、シリーズ作の多くが高難易度となっている。
これらに近い分類のゲームは、『メトロイド』と『Castlevania』を合わせて『メトロイドヴァニア』と呼称されることもある。
つまりメトロイドヴァニアとは、『メトロイド』『悪魔城ドラキュラ』みたいな探索型アクションゲームのことである。
・本題
本記事では、Switchで遊べるメトロイドヴァニアの中から、私が実際にプレイした全てのタイトルの感想を述べていく。
また、各タイトルの感想にあわせて、メトロイドヴァニアで(個人的に)重視している以下3つの要素の『楽しかった度』を5点満点でそれぞれつけておく。
『戦闘』:ボス戦、雑魚戦がどれくらい楽しかったかを総合的に評価
『探索』:探索の快適度や、好奇心を刺激されるかなどを総合的に評価
『世界観』:世界観を構成するストーリー、音楽、ビジュアルなどの要素が作品の面白さをどれくらい引き出せているかを評価
評価とか書いちゃったけどあくまで主観なので、参考程度ってことで頼みます
Hollow Knight
戦闘 4
探索 4
世界観 5
Switchのメトロイドヴァニアの中では割と有名どころ。
全体的に薄暗いビジュアルで、世界全体が疲弊した雰囲気はダークソウルに近い。
アクションは比較的シンプルで、剣を上下左右に振る、飛び道具を前方に撃つ、ダッシュ兼回避程度だが、
これらをうまく使いこなさなければ先へ進めないようになっており、そのさじ加減も秀逸。結晶バエは許さない
ワールドがかなり広く、各所にご褒美が用意されているため、探索において各種アクションを使いこなす楽しさがある。
ボスの攻撃パターンも多彩で、ボス戦ごとにプレイヤーの工夫が試される。
戦闘や探索が高い水準でバランスよく作られており、ストーリー終盤になるにつれて主人公の正体が明らかになっていく展開にも引き込まれた。
テキストは全体的に少なめでなんか全体的に暗くて登場キャラクターは全員虫がモチーフなので、そういうのが苦手な人は注意。
ただ、そのどれもが徹底しており世界観が統一されているので、苦手じゃない人にはとてもおすすめ。
武器の種類が1種類だけなので、もうちょっとあったら嬉しかった。
Dead Cells
戦闘 5
探索 3
世界観 3
メトロイドヴァニアとローグライクを組み合わせた『戦闘狂向けアクション』。
一度に2つの武器を装備することができ、そのバリエーションも多様。
入手した武器にはエンチャント(≒ボーナス)が付与されていることがあり、
『1秒ごとに5の炎上ダメージを与える』とか、『炎上ダメージを+5する』など様々で、
これらを組み合わせることで、自分だけの最強の立ち回りを生み出すことができる。
プレイするごとにダンジョンがリセット&入手アイテムがランダムとなっているので、
『次はどこへ行こうか』『どんな装備で戦おうか』などの楽しみが毎回新鮮なものとなる。
また、ステージごとにタイムボーナスが設定されており、効率よくステージをクリアできたときは気持ちがいい。
探索やストーリーよりも、そのスピード感を楽しむ作品。
ハードモードになるとかなり難易度が上がるので、めちゃくちゃPSを求められる気がする。
Dandara
戦闘 4
探索 5
世界観 4
操作性において唯一無二のメトロイドヴァニア。
『地面を歩く』ことはできず、地上から天井へ、壁から壁へと忍者のように『飛び移る』ことで移動できる。
『飛び移る』という特性上、その延長線上に敵や敵弾があった場合は否応なしに被弾してしまうため、
自身の移動ルートや敵の攻撃を素早く見極めながら行動することが攻略のカギとなる。
これができるようになると、移動だけで楽しい。
また、MPを消費して発動できる攻撃技もこのシステムをうまく活かしている。
『複数回壁を反射する弾を撃つ』『設置した壁からレーザーを垂直に一定時間放つ』などの技を使いこなし、
プレイヤーと違って自在に動き回る敵を、多彩な角度から迎え撃つことができる。
ボス戦もこれらのシステムを存分に活かしたものとなっており、これがまた最高に楽しい。
ワールドの広さと説明不足ゆえか、どうしたら先に進めるのかわからなくなることがあるので、詰んだときはsteamのコミュニティを見ることを推奨する。
スマホ版もリリースされており、飛び移るアクションの操作感をスワイプでより楽しむことができるため、個人的にはこちらの購入がおすすめ。
オリとくらやみの森
戦闘 3
探索 3
世界観 3
PVの音楽がよかったので衝動買いしたが、ハマらなかった。
特に裏切りのないストーリー、うま味のない雑魚戦、バリエーションに欠けるボス戦。
PC版ではシリーズ化しており何作か出ているようなので、もしかしたら自分だけハマらなかったのかもしれない。
深世海 Into the Depths
戦闘 4
探索 4
世界観 5
プレイヤーがこの作品を紹介したブログが1万RTされた。
私は学生時代にスキューバダイビングをしていたのだが、
水中での挙動や効果音など、ダイビング中に感じるあらゆる感覚が非常によく再現されていてめちゃくちゃのめり込んだ。
クリアまでのプレイ時間は7,8時間とあっさり目だったが、プレイ時間以上の満足度があった。
この作品のいいところが前述のブログで網羅されているので、気になる人はそっちを読んでほしい。
Blasphemous
戦闘 4
探索 3
世界観 4
疲弊した世界観、死んだら所持金全ロスト、数あるメトロイドヴァニアの中で最もダークソウルに近い『ソウルライク』な作品のひとつ。
ハードな戦闘、探索からのアイテム収集などメトロイドヴァニアの基本的な要素をバランスよく取り揃えている。
この作品は相手の攻撃をいなすアクション『パリィ』を搭載しており、そこが気持ちよさそうだなと思って購入したのだが、
いざプレイしてみるとパリィしても反撃を取れないことが多く、パリィに失敗するリスクもまた大きいため、パリィの出番はあまりなかった。
ジャンプで移動できる範囲に対して足場と足場の距離がやたらシビアで、移動にストレスを感じることがあるのが玉に瑕。
Broodstained: Ritual of the Night
戦闘 5
探索 5
世界観 4
悪魔城ドラキュラシリーズのプロデューサー、IGAこと五十嵐孝司氏が手掛けるメトロイドヴァニア。というか悪魔城ドラキュラ後継作。
大人の事情で『悪魔城ドラキュラ』を標榜できないだけで、あらゆる全てがドラキュラ。作中BGMの作曲者もドラキュラのそれと同じ人。
ここまでインディーズだらけのラインナップで、この作品を挙げることに正直躊躇してしまった。これもインディーズなのに。
大人げないとすら思える制作陣の暴力。戦闘、探索の充実度において最早どの作品も勝てない。ストーリーはいつものドラキュラなのでもう客観的に評価できない
メトロイドヴァニア入門者にも、メトロイドヴァニア愛好家にもこの作品は外すことができない。
BGMがとてもつよくてつよいので、サントラを集めがちな人はサントラ同梱版を探すべき。
Switch版は処理落ちで動作が重くなる部分がたまにある(個人的にはあまり気にならなかった)ので、PS4やゲーミングPCを持っている人はそちらの購入がおすすめ。
※2020/7/4 追記
Momodora: 月下のレクイエム
戦闘 4
探索 4
世界観 4
ビジュアルと世界観を例えるなら『かわいいブラスフェマス』。
ただしこちらはマップや探索等の要素がコンパクトにまとまっており、比較的序盤から移動速度の強化やワープをアンロックできるため、移動に関してストレスがない。
雑魚ボスともに硬すぎない程度の体力が設定され、終始テンポよくゲームが進む。
ノーマル以上の難易度として『ハード』『クレイジー』が用意されており、難易度に応じて主人公の最大HPが減少する。
その一方で敵の体力は据え置きとなっているため、テンポのよさもそのままにヒリヒリした戦闘を楽しむことができる。
前述の通りコンパクトなゲームボリュームでテンポよく進行できるため、スピードランやノーダメクリアなど、周単位でのやり込みと相性が良い。
初見の1周をどっぷり楽しみたい人は物足りなさを感じるかもしれないので、そういう場合は他のメトロイドヴァニアがおすすめ。
https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000016132
・・・以上8作品を雑に紹介しました。
読んでくれた人たちのゲーム生活の一助となれば幸いです。